先日、下関市で開催されたIN-Childプロジェクトの研修会に参加しました。
3日間連続での講義を通じて、学校教育の課題・家庭の課題・こらからの教育に求められること、子供との接し方・私たちにできること、様々な気づきを得ることができました。
◆IN-Childプロジェクトの紹介
▶IN-Childとは
Inclusive Needs Child
発達の遅れ、知的な遅れまたはそれらによらない身体面、情緒面のニーズ、家庭環境などを要因として、専門家を含めたチームによる包括的教育を必要とする子
▶IN-Childプロジェクトとは
「発達」の観点ではなく、「教育的ニーズ(課題)」の把握という観点で「今」の個人の教育的診断を行う。そしてニーズに応じた教育のプランを提供する仕組み。
既に下関市では一部の公立学校で試験的に導入が始まっています!
◆研修会で印象的だった内容についてのメモ
▶昨今の「発達障害」ブームの危うさ
「発達に標準はない」というのが世界のスタンダード。
システマチックに決められた学習指導要領についていけないからといって、
教師や周囲の大人が「発達障害と決めつける」ことは許されない。
なぜなら、それは子供の教育の機会や可能性を奪うから。
にもかかわらず、日本では「発達障害ブーム」もあって、
学校の先生もしくは親が勝手に「発達障害」のレッテルを張っている現状がある。
▶日本の子供の自己肯定感の低さの理由
1.学習指導要領をベースにした集団による段階的指導
一度でも授業についていけないと、次のステップへ行けない。
躓きを解消する機会がないから、「できない負債」が積もっていく。
2.多様性よりも平等を優先する価値観
学校においては管理しやすいように効率的集団行動を促すために“平等”という大義が用いられる。
その(時代錯誤的・理不尽な学校の)方法に従えない子供たちは、出る杭として打たれる。大人しく先生の言うことを聞く子供が優秀という歪な環境。
結果として、どちらも自己肯定感を構築することができない。
◆学校の常識=社会の非常識
これまで学校で“頭が良い”とされてきた能力(暗記力・計算能力)だけでは、
AI(コンピューター)に勝てません。つまり、未来の社会では価値を失います。
そして、社会は多様で、多様な人間が活躍しています。
それぞれの個性や感性を活かして、生きていく場所がきっとあります。
ダンサーや起業家などは、多動性の傾向が強い人に向いているでしょう。
役所や軍隊では、ルーティーンを徹底する、こだわりが強い人が求められます。
これからの教育には“包括性”が求められる。
IN-Childプロジェクトは、そうした考え方に基づく教育の第一歩になるかもしれません。
過去の常識にしばられることなく、
未来の社会を見据えて学ぶことの大切さを考えた3日間でした。